医師の「治った」と 患者の「治った」
◆「治った」の違い◆
はり・きゅう陽明堂の患者さんの中に、
「あちこちの病院に行っても、何回手術しても、全く治らない!」
と言う方がいます。
そういう方に、どういう説明をしたらいいのか?
悩みますよね…(-_-)
納得できず医師ににいろいろ言うと、「精神科に行きますか?」とか「気のせいですよ」とか言われてしまう事もあります。
実際に、医師への不満をはり・きゅう陽明堂に来院してぶちまける方もおられます(^^;
そういう方には、キチンと説明をさせていただきます。
「医師のいう『治った』と、患者さんの『治った』には、認識のズレがあるのです」と。
例として。
50代になり腰が痛い。医師の判断はヘルニアで、手術もした。医師は「ヘルニアの手術をしたので治療は終わりました。」と言います。『ヘルニアの状態は治した』訳です。これが医師の言う「ヘルニアは治った」です。
ところが患者さんのいう「治った」は、痛くなる前の状態。言ってみれば、加齢を重ねる前の、痛みのない状態に戻る事を「治った」と認識しているわけです。
手術をすれば、筋肉や皮膚を切るわけですから、当然リハビリも必要になり、傷を作るので引き攣れや冷えなども入ってきます。
ヘルニアの状態は「治った」訳ですが、手術により筋力低下や傷の引き攣れ、冷えなどが出てくるので、リハビリや生活面での工夫、鍼灸などを使った体調管理は必要になります。
「手術=若い時と同じように痛みなし」と思い込んでいる患者さんは、
「手術しても、何しても、何処に行っても、治らない」と言う訳です。
こういう方には時間をかけて説明をします。
「服が破れてしまい、縫ったりつぎ当てをして直しますよね。破れる前の状態には戻りませんよね?人の身体も同じなんですよ」
「車だって車検に出してメンテナンスするでしょ?人間だってメンテナンスが必要なんですよ」
こう説明すると大体の方は納得してくださいます。
人の思い込みや考えを変える必要はないと思いますが、違う視点での気付きのきっかけを見つけられると、治療にも影響してきます。言葉の大切さを考えさせられます。
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