「痛み」について考える(3)
◆部位の痛み② ◆
《臓腑の病による痛み》
4)肺の病による痛み
気を主り、大腸と表裏をなし、水道を通調し、宣発・粛降を主る。肺は胸部にあり、肺経と大腸経の経絡は鼻、咽喉部、下歯部、肩背部、胸部、上肢を走行する。
・鼻痛・咽喉痛・下歯痛・肩背痛・胸痛・上肢の痛みが現れると肺に関連した病があると考えられる。
5)腎の病による痛み
生殖・発育を主り、先天の本で、膀胱と表裏をなし、水・納気・骨を主る。腎は腰部にあり、腎経と膀胱経の経絡は頭頂部、後頭部、脊椎の両側、腰仙部、膝窩部、踵部、足底部を走行する。
・頭頂痛・後頭痛・脊椎の両側の痛み・腰痛・仙腸関節痛・膝窩部の痛み・踵痛・足底部の痛みが現れると腎に関連した病があると考えられる。
《気・血・津液の病による痛み》
1)気の病による痛み
虚証…体力が比較的弱い人で、痛みが激しくない。身体が怠い・疲れやすい・食欲不振・汗が出やすいなどの症状を伴う事が多い。
実証…体力がある人で、痛みが激しい時の状況に該当し、腹部膨満・悪心・嘔吐などの症状を伴う事が多い。
2)血の病による痛み
虚証…顔色が悪い・唇の色が蒼白・めまい・立ちくらみ・動悸・不眠などの症状を伴う事が多い。
実証…痛みが激しく、部位が固定的で、押えると増強し、唇や舌質が暗紫色などの症状を伴う瘀血証
実証…暖めると痛みが軽減し、寒がり・四肢の冷え・皮膚の色が紫色などの症状を伴う寒証
3)津液の病による痛み
虚証…口や唇の乾燥感・口渇・咽喉部の渇き・皮膚が光沢がなくカサカサする・尿量減少・便秘などを伴う事が多い。
実証…胸痛・胸水貯留・呼吸困難など、或いは関節の腫脹・滲出液の貯留、或いは腹痛・腹水などを伴う事が多い。
臓腑と経絡の関係を考慮して痛みを引き起こしている病を探り、臓腑のバランスを調整することが重要ポイントです。
気・血・津液は身体の重要な栄養物質で、不足や停滞があると痛みが出る事があると考えます。
「痛み」は奥が深いです(・・;)
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