手術後の鍼灸治療(3)
◆ターミナル・ケアと鍼灸治療◆
はり・きゅう陽明堂でも癌のターミナルの方を受け入れ、何人かお見送りをしました。
医療従事者は、しっかりした自分なりの生死観を持つべきだと思っています。人によって、宗教だったり哲学だったりするかもしれませんが、もっと「死」について考えた方がいいと思います。「死」は敗北ではない。
今の風潮として、癌とわかると本人に告知をしますが、約20年前は、がんセンターに入院していても本人には告知をしませんでした。母方の伯父が、予防接種によるC型肝炎からの肝臓癌でがんセンターに入院した約20年前は、そういう風潮でした。
当時はまだ鍼灸専門学校の学生で、長期休みで群馬に帰ってくると入院している病室に行って、覚えたてのマッサージをしていました。脈を診ても、癌なのに強いな?なんて当時の私は思ったけど、今ならあの脈は七死脈の弾石脈だったとわかる。今でもあの脈の感覚は覚えている。
今なら、もっともっと、伯父がいい一日を過ごせるお手伝いが出来ただろうと思うと、悔しい。
はり・きゅう陽明堂に来られるターミナルの癌の方は、既に告知をされ、どういう状態なのかご本人もご家族もわかっています。
ご家族とご本人と、鍼灸治療での方向性を話し合います。どうしたいですか?と、確認の意味もあります。
奇跡は起こらないかもしれないけど、毎日のご飯が美味しく食べれるようにお手伝いしたい。
これは、ターミナルの方へのはり・きゅう陽明堂の方針です。
人はご飯が美味しく食べれると、次の食事も楽しみになります。元気が出ます。
薬食同源。病とたたかう人にとって、この薬食同源は本当に意味が深いものです。
はり・きゅう陽明堂では、ターミナルのご本人だけでなく、付き添いのご家族にもご一緒に鍼灸治療を受けていただくようにおススメする事があります。ご本人を支えるご家族が疲れきってしまう事もあるので、ご家族のサポートもしたいと思っています。
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