「痛み」について考える(8)
◆痛みの誘因や増悪の原因◆
痛みを出してしまうものや痛みを悪化させる原因の探る事は、痛みの寒・熱・虚・実の性質を判断し、治療に繋げるためにとても重要となります。
1)寒邪
・寒邪は、凝斂・収引の性質により、気血を阻滞して痛みを生じる。「不痛則痛、通則不痛」(通ぜざれば則ち痛む、通ずれば則ち痛まず)。痛みが気候が寒くなったり、冷たい飲食によって誘発・悪化するのは痛みの性質が寒性であることを表す。
2)熱邪
・熱邪は身体に入ると、経絡や気血の運行を阻害し、炎症反応を起こし痛みを引き起こす。熱邪による痛みは局所の熱感・発赤・腫脹・炎症などを伴い、発熱したり気候が暑かったりすることにより誘発・悪化する。人体の陰津を消耗する。
3)飲食
・辛いもの・冷たいもの・熱いもの・酒などが痛みを誘発・悪化させることがある。
4)七情
・七情とは、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の7つの感情の変化を指す。人の感情の変化は痛みを誘発・悪化させる原因と考えられる。
5)疲労
・痛みは過度の疲労により、誘因・悪化することが良く知られ、虚証が多い。身体的疲労・精神的疲労で気血を消耗しやすい。
「痛み」について考える シリーズは、今回でひとまず終了となります。
気が付いた時に、また痛みについて書いていきたいと思います。
治療者サイドとしては、「ただ漠然と痛い」と言われるよりは、痛み方・痛む時間・どういう時に悪化するか を観察していただくと、原因が探りやすくなります。
「痛いのは患者さん持ち」です。「治療者に丸投げで、なんとかして」でなく、一緒に原因を探り観察していただくと、良い治療につながります(^^♪
是非、御自分の痛みや辛い症状を観察してみてくださいね(^^)
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